睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病を招く
「がー…」「ごー…」
夜中に聞こえてくる大きな“いびき”。当の本人は気付きませんが、一緒に寝ている人にとっては安眠を妨害されてとても迷惑です。
いびきは“大きな音”がするだけでなく、睡眠中に呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群や重度の合併症を引き起こす危険性があります。この睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に10秒以上の無呼吸状態を1晩で5回以上繰り返す病気で、いびきの原因の一つに挙げられます。頻繁に続くと熟睡できず、目覚めたときの頭痛や日中の眠気などを感じることがあります。
さらに高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病を合併していることもあり、一歩間違えば生命に影響を及ぼすことさえあります。早期の専門医師による受診、検査をおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群やいびきの治療は、医科との連携が原則で歯科の治療は口腔内装置を装着し、呼吸を阻害する要因の排除を行います。
この口腔内装置には2タイプあり、一つは比較的シンプルな構造の一体型で保険が適用できます。
もう一方が分離型で効果は高いとされていますが自費(165,000円:税込)扱いです。当医院では分離型の場合、ソムノデントという装置を使用しています。
歯ぎしりが顎関節症の原因になる
夜、寝ているときに聞こえてくる音で、もう一つ気になるのが“歯ぎしり”です。一般的に歯ぎしりというと、歯がこすれる「キリキリ」という音だけと思われがちですが、グライディング・クレンチング・タッピングといったタイプがあります。
歯ぎしりが長い間続くと、歯がすり減るため噛み合わせが狂ったり、あごの関節に負担がかかって、顎関節症を引き起こすことがあります。
歯ぎしりが気になる方は、できるだけ早めの治療をおすすめします。
- グライディング → 一般的な歯ぎしりでキリキリ音がする
- クレンチング → 歯を強くかみ締めたり喰いしばったりする(音はしない)
- タッピング → 歯を素早くカチカチ鳴らす
口腔内装置で歯やあごの負担を軽減する
マウスガード
スポーツをするとき、歯を噛みしめたときにかかる奥歯の負担を、できるだけ軽くする装置です。自費ですが形態により費用が異なります。
ナイトガード
夜、寝ている間に装着するマウスピースです。
歯ぎしりは夜眠っている間、いわば“無意識”の状態のときに起きます。しかし意識的にコントロールすることが難しく、歯やあごの関節にも大きな負担がかかってしまいます。ナイトガードの装着で強い歯ぎしりで歯が欠けたり、あごの関節に強い力が加わらないように防ぎます。費用は保険が適用できます。