ランパ治療
現代の食生活における「噛む回数」の減少
食事の噛む回数が戦前と比べて現代は半分に減っているデータがあります。
食事1回で噛む回数は戦前の1,420に対し、現代の食事は620と約半分に減っています。
出典:農林水産省Webサイト
(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html)
戦前の食事は雑穀や根菜など噛みごたえのあるものが中心でしたが、現代は食生活が多様化したため軟らかく食べやすいものが提供されるようになりました。
そのため、食事で噛む回数が減ったといわれています。
噛む回数が減り、しっかり噛むことが少なくなったため、あごの骨が育つ機会が減るので、現代のお子さんのあごは充分発達していないと考えられています。
小さなあごの場合、歯が生えるスペースが不充分なため、永久歯が綺麗に並べず内側や外側にデコボコ生えてしまい、見た目がガタガタした歯並びになります。
ガタガタの歯並びで引き起こされる症状
- ぽかん口になっている
- 口呼吸が多い
- 鼻炎にかかりやすい
- いびきをかく
- 顔の形がいびつである
- 受け口になっている
- 歯並びが悪い
- ストレートネックである
- 姿勢が悪い
- 発音が悪くなる
歯並びの悪さは「呼吸」にも影響している
上記の症状ですが、実は「呼吸」とも関連性があります。
あごのスペースが小さいと、舌の収納位置が悪くなり、口の中の空気の通り道を小さくします。また、気道が狭くなるため呼吸しづらくなり、鼻呼吸から口呼吸になりがちです。
「歯並びの悪さが実は呼吸にも影響している」のはこのような理由からです。
正しい呼吸方法の獲得と歯並びの矯正
正しい呼吸方法を得て歯並びを矯正するため、当院では「RAMPA治療」を行っています。
RAMPA治療は「あごの成長を正しい方向に導く」治療です。
あごの骨が理想的な形になるよう働きかけることで、お子さんの「呼吸」「咀嚼」「嚥下」「発音」といったお口の機能を理想的な形に導くよう矯正します。あごの骨を矯正する際は特殊な装置を用いて、骨を正常な位置に戻します。
「あごの成長を正しい方向に導く」RAMPA治療の考え方
- あごが広くなるので「歯並び」を綺麗にしやすくなる
- 綺麗な歯並びで舌の収納もよくなり「気道」が広くなる
- 気道が確保できるので「呼吸」しやすくなる
- 呼吸しやすくなり、いびきや口呼吸を改善できるため「健康づくり」につながる
ただ単に見た目の美しさを考えた治療を行う、また歯の噛み合わせを考えた矯正を行う方法ではなく、体の事を考えた、将来の健康に注目した新しいコンセプトの治療です。
成長期のメリットを活用し、お子さんが生涯かけて健康に過ごせるためのお手伝いをいたします。
RAMPA治療はこんな方におすすめ
- お子さんの健全な成長を願い、呼吸や姿勢、歯並びを改善させたいとお考えの方
- 重度の受け口や出っ歯、ガミースマイル(笑った時に歯ぐきが見える)、オープンバイト(前歯を噛み合わせても上下の間にすき間ができる)などを有するお子さんの歯並びを矯正したい方
RAMPA治療について
治療年齢
大人の歯に生え変わるまでの間に行います。成長期である5歳から12歳くらいの年齢だと効果が表れやすいですが、それ以降の年齢でも対応可能です。
治療内容
RAMPA治療を行うには特殊な装置を用います。オーダーメイドのヘッドギアであるこの装置は上あごの骨を広くできますが、顎顔面口腔育成研究会(JACG)の会員として研修会に参加し治療に携わっている歯科医院でないと効力が望みにくいところがあります。
当院ではRAMPA治療の知識を持ち、きちんとした研修を受け、治療実績を積んでいる院長が対応します。
治療の流れ
1. カウンセリング
現在のお悩みをご相談ください。
2. 診査
お口の状況を確認するため、型取りや口腔内撮影、レントゲン撮影を行います。
3. 治療計画の説明
診査で得たデータより診断を行い、治療計画を立てた上で治療内容をご説明いたします。
お子さんだけでは不安になりがちですので、ご家族の協力がなにより大切です。保護者の皆さんに治療に関する知識を深めていただき、歯科医師も含めたサポートで連携を図りながら治療を進めたいと考えておりますので、ご配慮をお願いします。
4. 装置の作成
治療開始前の状況を把握し、装置用の型取りを行って患者さん独自の装置を制作します。
5. 治療開始
制作した装置を使って治療を行います。治療開始時は2週間に1回、その後は月1回くらいのペースでご来院頂き、進行状況を確認しながら装置の調整を繰り返しながら進めます。
6. 治療終了、保定、経過観察
第2次成長期を迎えた(第2大臼歯が生える)頃が治療終了です。それ以降は後戻りしないよう、保定装置を使いながら様子をみます。
RAMPA(ランパ)治療に関するQ&A
顎顔面口腔育成研究会については下記URLをご参照ください。