虫歯治療
よい治療結果が患者さんとの信頼関係を築く
私は日頃から患者さんとよく話をし、できるだけコミュニケーションを取るように心がけています。そのため、診察中は患者さんに話しかけ、よく質問します。
「ここを治すには、AとBの治療方法がありますが、どうされますか?」
すると患者さんは自分自身できちんと考え、治療方法を選択します。
そこまで患者さんに聞かなくても…。そう思われる方がいらっしゃるかもしれません。
でも、もし私が患者さんの立場だったらどう思うでしょうか?一方的に治療方法を押しつけられたくはありません。それぞれのメリット・デメリットを知った上で自分自身で判断したいと思います。そうすることで、納得のいく治療が受けられるのでは?と思うからです。
ときには想定外の治療方法を選ぶ患者さんもいらっしゃいます。しかし、それはあくまでもご自身で判断したこと。私の勝手な思い込みで反対意見を唱える必要はありません。患者さんの意見を尊重し、力を尽くせば良いと思います。
大切なことは、そのときできる精いっぱいの治療を行うこと。それには患者さんとの信頼やコミュニケーションが不可欠であり、治療結果を上げることでそれらが生まれます。患者さんとの素晴らしいコミュニケーションが築けるよう、その方にふさわしい治療を心がけています。
虫歯治療のポイントは「快適に過ごせる歯」
患者さんの中には、抜歯や坺髄(神経を抜くこと)をとても気にされる方がいらっしゃいます。最近はできるだけ神経や歯を残す治療が増えてきましたので、心配されるのはごもっともだと思います。
当院でもできるだけ歯を残す治療を心がけています。しかし「歯を抜く・抜かない」「神経を取る・取らない」という前に、もっと大切なことがあります。
それは「歯を治療した後、患者さんがよりよい生活が送れるかどうか」ということに尽きると思います。
例えば、硬いお煎餅や漬け物をバリバリ食べられる、冷たい物を飲んでも歯にしみない、食事をしたときに痛みや違和感、冷たさなどの刺激を感じない…つまり、快適な食生活ができるかということです。
そのためには、歯や神経を残しておくことで、後のち重大な痛みを引き起こす可能性がある場合には坺歯や抜髄もやむを得ません。
中には「どうしても残してほしい」という方もいらっしゃいます。そんなときは残しておくことのリスクをきちんと説明した上で、患者さんに治療方法を選択していただきます。
5年、10年後、患者さんが快適に過ごせるよう、今できる精いっぱいの治療を心がけています。
可能性を広げることができるよう努めております
根管治療の80~90%は、既存の治療方法できちんと治すことが可能です。当院では基本的な根管治療を行っていますが、それでも10~20%の症例に関しては、症状が改善できないこともあります。
可能な限りの手を尽くしても症状が軽減しない…。もしかしたら何か見落としがあったのかもしれません。
当院ではあらゆる可能性を見出すために、大学病院などで診察してもらうようにお話しています。他の先生が診察したら治るきっかけが出てくるかもしれません。あるいは治療方法を変えれば治るかもしれません。そのためにも、他の先生に委ねることも必要です。
患者さんの大切な歯を守るために、あらゆる可能性を広げていきたいと考えています。
虫歯の段階
カリエス
虫歯が神経に達していない状態。軽度であれば殆ど痛みは感じません。しかし進行するに従い水がしみたり違和感を覚えるようになります。
治療方法
虫歯になってしまった部分を取り除きます。大きな虫歯の場合は、歯全体に被せ物をします。削った後が小さいときは、部分的に被せるか、詰め物を入れます。
歯髄炎
神経に達している状態で、熱い物・冷たい物を食べたときに痛みを感じ、進行すると夜眠れないほどの激痛が起きることもあります。
治療方法
歯の神経を取り除き(抜髄)、神経の通っていた部分に薬を詰めた後、歯全体に人工歯を被せます。
歯根膜炎
既に歯の中が感染している状態。熱い冷たいにはあまり反応せず、噛むと鈍い痛みを伴います。
治療方法
歯の中を綺麗に掃除して(菌を取り除き)、神経の通っていた部分に薬を詰め、歯全体に人工歯を被せます。